獣医さんから聞いたホントのはなし㊙✨

〜🏥Dr.アルテスタ🏥〜

vol.1 腎臓機能の悪化は腸内細菌が原因?!?!

腎臓の機能を悪化させる尿毒素の蓄積には実は腸内細菌が関わってるぞ!

<1番伝えたいことをざっくり解説>
2016年にThe American Journal of Kidney Diseases (AJKD)という雑誌に掲載された「Role of the Gut Microbiome in Uremia」という論文によると、腎臓を攻撃する毒素は100%腸内細菌によって作られ、腎臓にダメージを与え、さらには心臓や血管にも悪影響を及ぼすよ

・ヒトの慢性腎臓病(CKD)患者では、腸内細菌が変化してバランスが乱れていることが報告(Ramezani A et al.,2014)されてるよ。
・さらに慢性腎腎臓病(CKD)の病態が進行する原因としても腸内細菌叢が関与していることが明らかになってきたよ 。
・実際に、末期の腎不全患者では,尿毒症物質を作り出す悪い腸内細菌がガンガン増えていて、腸内細菌叢の変化が尿毒症の原因になってんじゃね〜の?って推測(Wong J et al.2014)されているよ。
・腎臓をアタックする尿毒素毒素にはインドキシル硫酸(IS)、P-クレシル硫酸(PCS)、トリメチルアミンN-オキシド(TMAO)があるよ(名前は難しいから覚えなくてもいいです)
・これらの尿毒症物質は、100%腸内細菌によって作られるし、さらにコイツらが慢性腎臓病(CKD)の進行や心血管疾患の併発にめちゃくちゃ影響を与えとるってことがわかった。
・慢性腎臓病( CKD)患者でなぜ腸内細菌叢の変化(dysbiosis)が起きるのか?というと、「食物繊維をあまり撮らない」、「タンパク質取りすぎ」、「抗菌薬を使いすぎで腸内細菌が死んでる」、「 便秘」などがあるよ

<腸内細菌が乱れるとなんで腎臓が悪くなるのか?>
「悪い腸内細菌がガンガン増える」→「腸管バリア機能が低下する」→「腸内細菌が作り出す腎臓をアタックする物質が腸管から吸収されて体内に流入する」
→「腎臓を攻撃する」→「おしっこに悪い物を出せなくなる」→「尿毒症になる」

・つまり尿毒症の発症には腸内細菌叢がめちゃくちゃ大切ってこと(Ali Ramezani et al. 2016)。
・腸管内で悪玉菌(インドール産生菌)の割合が増えると腎臓を攻撃する物質(インドールなど)も増える。
・腎臓が悪い人の腸内細菌は、乳酸菌(Lactobacillus)、プレボテラ(Prevotella)、ビフィズス菌(Bifidobacteria) などいわゆる”善玉菌”と呼ばれる菌種の割合が減少している一方、Brachybacterium, Catenibacterium,Enterobacteriaceae,Halomonadaceae,Moraxellaceae, Nesterenkonia,Polyangiaceae, Pseudomonadaceae,Thiothrix families など尿毒素をガンガン作り出す悪玉菌がめっちゃ増えとるやないか!ってことが分かっている(Baziri ND et al. 2013)。
・実際に、腎不全の時に問題となる尿毒素がどれくらい腸内細菌の影響に依存しているかを調べるために,腸内細菌が全くいない無菌の腎不全マウスで実験したら、
インドキシル硫酸や p-クレシル硫酸は無菌マウスでは全く体内に存在しないことから 100% 腸内細菌代謝に由来していることがわかった(Mishima E et al.2017)。
・さらに興味深いことに,大腸を摘出した透析患者では,インドキシル硫酸(IS) やP-クレシル硫酸(PCS)などの血中濃度が低下していることが報告(Aronov PA et al.2011)されいて、つまり尿毒症には腸内細菌叢による毒素の産生と腸管からの吸収が深く関わってるってことね

・ビフィズス菌などの非インドール産生細菌の増加を期待したオリゴ糖(ケストースなど)の投与が有効だぜ

 

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